突然ですが、あなたには「キャラ設定」がありますか!?
人間は社会的な動物ですから、誰かしらと何かしらのつながりを持ちながら生きています。
友達など横のつながりもあれば、家族や会社組織など縦のつながりもある。私たちはみな、『縁』でつながれた網目のような関係性を持っています。
現代では、アナログ的な人とのつながりだけにとどまらず、デジタルの中の関係性というのも存在します。
ご縁の網の目がより複雑化しているのではないでしょうか。
このような社会の中で生きていれば、好むか好まれざるかによらず、何らかの「キャラ設定」が知らぬ間にできてしまっていてもおかしくありません。
そのグループや団体の中の役割的なものというか、バランスをとるための設定ですね。
きょうだいの中のキャラ設定は
兄弟姉妹の中でも、何となくキャラ設定のようなものが存在しませんか?この間、自分のことを「私、とろいから」「私、ぶきっちょだから」と何度も何度も言っていた人がいました。
その人は大勢いるきょうだいの真ん中だそうで、兄や姉から「あなたはとろい、あなたはぶきっちょ」と幼少の頃から言われて育ったのだそうです。
そのキャラを未だに演じ続けているのです。
このキャラにハマったままでいる限り、愛されキャラでいられるから...お姉さんお兄さんに世話をしてもらったり、気にかけてもらったりしてもらえる。70代になってもきょうだいの間でこのパターンは変わらないのです。
これは、グループ(家族)の中でキャラ設定されることによって、甘い汁を吸っている例です。その人にとってはトロいキャラでいることで、得しているのです。愛されてる感を満喫している。
ただ、もしその人が高い志を持っていて「キャリアを積み上げていきたい」とか、「成功者になりたい」という野望を持っていた場合は、このような子供の頃のキャラ設定は“足かせ”になってしまいます。
大きく飛躍しようとすると、目に見えない壁が立ちふさがっているかのように感じてしまうのです。
これは人間の脳に備わっている自然な機能。本能的に命を守るため、「変わらない」ように無意識が働くから。
私たちの行動の一つ一つは、無意識が司っているもの。だから、無意識の内容が同じならばいくら努力しても本能に止められてしまうのです。
「私、とろいから」「私、ぶきっちょだから」と言い続けていれば、無意識の奥深くそのキャラが沈殿し、自己イメージとして定着してしまう。
そのキャラからの逸脱は、脳にとって「生命の危険」とみなされ、見えない壁で脱線を防ぐ機能がはたらきます。
トロくて、ぶきっちょで、でもキャリア組の成功者....そんなのがあればいいのかもしれませんが、矛盾した情報同士は摩擦をおこして、前に進むパワーを弱めてしまいます。
この人の場合、もし子供の頃に認定されてしまったキャラから抜け出したいなら、勇気を持って「トロくてぶきっちょでなくなったとしても、お兄さんやお姉さんは愛してくれる」と信じることです。それと同時に、自分の方からもっともっと相手を愛することです。
その上で、自分がなりたい自己イメージを言葉に表し目指していけば、抜け出ることができます。
「わたし弱ってる?」と思ったら、シンプルに自分のキャラ設定を見直してみてくださいね。
キャラ設定にハマると
私の場合は多分、「面倒見がいいキャラ」を子供の頃から設定されているかもしれません。長女なので、自然にそうなってしまうんですよね。
だから、大人になってもつい相手に何かしてあげすぎたりすることがあります。
面倒見がいいキャラを手放せないとしたら、その背景にあるのは「人に何かしてあげないと愛されない」という偽りの思い込み。これが動機になっています。
何もしなくてもいいし、してあげたい気持ちがある時はするし。というニュートラルな感覚を目指すことが大切です。
優しさや親切心には二種類あります。
一つは、「相手を喜ばせる幸せにさせる」ことが目的の優しさ。もう一方は、「相手に何かしてあげることで自分がよく思われたい」ことが目的の優しさ。
本来は前者だけでいいはず。それが自然体というものです。
ですが、「面倒見がいいキャラ」が設定されていると、後者が行動の動機になってしまうこともあるのです。そんな時は疲労困憊してしまいます。
なぜならば、後者のような動機で何かしてあげても相手によく思われるのはほんの一瞬だし、自分の心に充実感や平安な気持ちが沸きあがってこないからです。
それとは逆に、相手を喜ばせたいという想いが動機で何かをするとき、見返りなどなくても心が温かくなり喜びが込み上げてくるのでエネルギーも高まります。
「面倒見がいいキャラ」も、「私はトロくてぶきっちょキャラ」も、そのほかのどんなキャラ設定でも、長期にハマったままになるのは、良いことはないと考えています。
自分自身が本当の望みを叶え、自分自身が満たされた気持ちでいないことには、周りの人にも良い影響を与えられませんよね。
自分が本当になりたい自己イメージに向かっていけるようなキャラを、自ら設定するのが一番です!
マーケティングの罠
キャラ設定には、マーケティング要素を含むものや商業的なものもあります。
「ツンデレ」「草食系」「イクメン」「おひとりさま」いろんなキャラがあって、勝手に周りの人からキャラ設定されてしまいがちです。
自分でそのキャラになりたくて、そのキャラを演じているぶんにはいいと思います。
でもほとんどの場合、知らず知らずのうちにグループの中でそんなキャラ設定になっていたりするのです。
他人が設定したキャラにハマる必要はないですよね!
そうなってしまうと、なりたい自分になるための邪魔になります。想像するより大きな邪魔です。
まわりに設定されてしまう前に、先に自分でキャラを決めてしまわねば!
シンプルに「なりたい自分」になって、快適生活をおくりましょうね!