また今年も、ダージリン・ファーストフラッシュの季節がやってきた!
産地であるインドは寒波に見舞われたということで、数量が少ないと聞きましたが、今年もいただくことができて幸せです。
まず、大好きなファーストフラッシュについて語らせていただき(笑)、後半で、紅茶の薬的な効能、副作用、についてお話ししますね。
ファーストフラッシュは春摘みの一番茶
ダージリン(Darjeeling)とは、インド北東部西ベンガル州北部のダージリン地方で生産される紅茶の総称。世界三大紅茶の中でも一番名前が知られているかもしれません。
ダージリンはお茶を摘む季節によって、それぞれ呼び方があります。①ファーストフラッシュ(春摘み)、②セカンドフラッシュ(夏摘み)、③オータムナル(秋摘み)の3種類です。
これらは、シングルリーフでいただきます。シングルリーフとはいろいろな茶葉を混ぜない(ブレンドしてない)ということ。
(ちなみに、パックで売られている紅茶はいろいろな茶葉を混ぜてあるのです。素人でも美味しく入れられるように、プロによって工夫された商品です。なので、ダージリンと書いてあるティーパックの紅茶には、茶葉がブレンドされたものが入っています。)
今、出回っている『ファースト・フラッシュ』は、春の雨季の時期になって出てきた新芽を摘んだ新茶。花のようなフレッシュな香りときりっとした渋みが後味で残り、いつまでも幸せ感が漂います。
はじめて飲んだ人は「え?これが紅茶?」と思ってしまうでしょう。普通の紅茶のような濃いオレンジ色ではなく、水の色が薄いグリーンに近い色をしておりちょっと白濁しています。緑茶に近いテイストです。
(今回、載せてる写真はファーストフラッシュ。こんな薄い緑色の紅茶です!)
ダージリン地方の初春はまだ寒く、紅茶は低温環境下では発酵は進みにくいのです。ファーストフラッシュのお茶は、発酵を深く行わないことで緑の紅茶に仕上げているのだそうですが、普通とはちょっとちがう行程でつくられます。
春摘みされた茶葉は、まず萎凋(静置され風をあてる)の時間を長くとり、ゆっくりとしなびさせます。脱水されたストレスによって、茶葉に含まれる酵素が活性化されて、あの独特の花のような香りが生成されるのです。
そのあと、非加熱のままで茶葉を揉む。そしてさらに発酵させることで、グリーン色だけど半発酵のお茶ができあがるというわけですね。
水出しアイスティーも美味なファーストフラッシュ
こんなことを書いたら、紅茶マニアの方にお叱りをうけそうだけれど... セミアは、ファーストフラッシュを『水出しアイスティー』でいただくのがお気に入りです。
ファーストフラッシュの特徴である、緑茶テイストとか花のようなフレッシュな風味が、助長されるから。
まぁ、市場に出回る時期が、ちょうど暖かくなる頃だからというのもあるでしょうね。
作り方が簡単、というのも魅力の一つ。容器にお水を入れて、ファーストフラッシュの茶葉を入れ、一晩置くか、もっと短時間でもできます。浸かりっぱなしは苦みが増すので、お茶が抽出されたら茶殻をこしてください。
緑茶テイストだし、爽やかなわずかな渋みもあるしで、お口の中のさっぱり感がとってもさわやかなんです♬
写真ではミント葉が写っていますが、ミントを入れないでぜひ試していただきたいです。ミントは味に変化が欲しくなった時とか、胃もたれする時などにアイスティーに浮かべてもいいかもしれませんが、基本はなんといってもストレートがいちばんです。
紅茶の効能!?
昔のイギリスでは、紅茶は貴族の飲み物でした。味わうだけでなく「薬」としても重宝されていたそうです。
紅茶協会発行のポスターには、「紅茶はウィルスを除去してくれる」と記載されてました。
インフルエンザなどのウィルスの形状は、イガイガしていますが、そのイガイガの間に紅茶の成分の1つ「テアフラビン」が入り込んで不活化させ、ウィルスが体内に居残ることを防ぎ、体外に排出させやすくしてしまうのだそうです。
紅茶に含まれている栄養素は、ビタミンB1・B2、カルシウム、カリウム、ナイアシンなどのビタミン類やミネラル。それから、酸化を防ぐポリフェノール、フッ素、カテキン、などなど。
消化器官を助け、血液サラサラにし、鎮静効果をもたらすので、全般的に健康のために良い効能が多いということが、近年わかってきています。
体だけでなく心もリラックス。紅茶に含まれるアミノ酸の一種“テアニン”は、脳をα波に導く作用があるそうです。
紅茶を飲み過ぎてはいけない人は?
それは、貧血気味の人・鉄欠乏性貧血の人です。
紅茶の成分の一つ「タンニン」と一緒になると体内に鉄分が吸収されにくくなってしまうから。
でも、貧血気味の人でも、飲むタイミングを食事中以外にすれば大丈夫!
鉄分には、2種類あります。肉や魚に含まれる「ヘム鉄」。野菜に含まれる「非ヘム鉄」です。
お野菜に含まれる「非ヘム鉄」は、お茶に含まれるタンニンと一緒にとってしまうと、体内に吸収されにくくなってしまいます。(肉魚に含まれる「「ヘム鉄」はタンニンによる吸収の阻害を受けない)
なので、鉄欠乏性貧血の方は、お野菜を食べるのならば、紅茶(緑茶も)を食中や食後すぐにいただくことは避けた方がいいです。せっかくとった鉄分が吸収されなかったらこまりますからね。
でも、それ以外の時ならば、過剰でないかぎりはだいじょうぶだと言われています。ぜひぜひ紅茶を楽しんでください♪
今、ファーストフラッシュを楽しんでください♪
普段は、ブレンドされた茶葉が入った、一般的なティーパックで、紅茶を楽しむ方が多いと思います。
もしも、シングルリーフの紅茶を淹れるのに慣れていない場合は、ダージリン・ファーストフラッシュをいただくならば、お店できちんと淹れてもらったものを飲むのがおすすめです!
紅茶専門店や、ファーストフラッシュにこだわりのある喫茶店などでいただけるとおもいます。
紅茶はいれ方によって、だいぶ風味に違いが出てしまいますよね。(セミア流の簡単アイスティーならばどなたでも美味しくファーストフラッシュがいれられますよ〜)