世の中のお母さんたちの悩みどころ『牛乳を子供に飲ませるべきか否か』について、ちょっと考えてみたいと思います。
私自身は子供の頃から牛乳嫌いなので、給食でもいつも隣の子にあげていました。今でも生で飲めません。
でも、そういった私的な要素を排除して、ニュートラルな立場から書いてみたいと思います。
もちろん、私は科学者ではないので、消費者としての観点と常識的な視点から考えてみます。
牛乳は、たんぱく質、炭水化物、脂肪、ミネラル、ビタミン、これらの栄養素が全部含まれている優れた食品なのに、なぜこんなにも世界中で是非を巡って論争になっているのでしょうか!?
それは、複雑にいろいろな要因が絡み合っているからではないか!?と思います。
牛の生育、法律、DNAの違い、殺菌方法の違い、タンパク質の変成、などなど。。。
松嶋尚美さんに関する牛乳論争はスキップします
タレントの松嶋尚美さんが、TV番組中に発言したことが話題になっています。
Yahoo!ニュース
牛乳を飲ませると健康に害があるので、彼女のお子様には牛乳を飲ませていないそうです。その「牛乳有害」発言を聞いた人の中から、批判する声が上がっているのです。
ちらっと読んでみたけど、どうでもいいような内容だったので、ここでは触れないでおきますね。
森を見ず一本の木だけを見てるような主張でしたので。。。
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牛乳処理による違い、味覚篇
紅茶の師からミルクティーの入れ方を教えてもらったとき、牛乳には数種類あることを改めて学びました。
それぞれ殺菌温度や時間が違っていますので、牛乳の内容や味の特徴についてのレクチャーをしていただきました。
それが非常に面白い内容だったのです。
なにせ、セミアは牛乳ぎらいなものですから、牛乳を飲み比べてみたことなどありません。
でも、牛乳は大好きな紅茶を美味しくいただくための友ですから、勉強させてもらいました。
わかりにくいけど、よ〜く見ると右側の牛乳の方が真っ白なんです。
この右側の真っ白なのが超高温瞬間殺菌された牛乳。
左側の少しアイボリーがかった牛乳は低温殺菌牛乳。
いつもの紅茶レッスンの時のように、香りを確かめてからテイスティングしてみました。
低温殺菌の方は香りがほとんどしない。けれども口に含むと、ふわ〜っと口の中で “うま味” のようなものが広がる感覚がありました。
超高温瞬間殺菌の方は、匂いをかいでみたら、いわゆるミルク臭がしました。口の中に含むとミルキー様の味。広がりの無いフラットな味です。このミルク臭は「クッキング・フレーバー」というもので、牛乳を高温で処理した時にタンパク質が焦げた香り(味)になります。
それぞれの牛乳に紅茶を足して、再びテースティング!
右側の超高温殺菌の方は、やはり色が白っぽいミルクティーになりました。
味見してみて驚いたのが、自動販売機で売っているペットボトルや缶のミルク紅茶の味とそっくり!!
やはりフラットな味覚で、口に含むとすぐに喉に流れていって、それでおしまい。余韻が無い感じでした。
低温殺菌の方は、見た目にもやや紅茶色が濃く出てる。
味見をしたら「う〜ん、美味しい♡」と、言ってしまいました。高貴な気分にさせてくれるような風味が、口の中にふわっと膨らんでくるんです。
ミルクティーですが茶葉の味がきちんと主張している。紅茶の苦み成分もちゃんと感じられた政党派ミルクティーでした。
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牛乳処理による違い、成分篇
まずは、一般常識から。
このような事にお詳しい方は読み飛ばしてくださいね。
牛乳の殺菌法について一覧表↓にしてみましたので、ご覧ください。
大きな違いは【殺菌】と【滅菌】です。
殺菌は、有害な病原菌のみを殺すこと。そして人体に有用な菌を残すこと。低温殺菌で可能になります。
滅菌は100度以上で全部の菌を死滅させること。超高温で殺菌するやり方です。牛乳の成分である乳酸菌やラクトフェリンなどの有用菌までも死滅させます。
殺菌方法 | 特徴 | カテゴリー |
超高温瞬間殺菌(LHT) | 120~150度で1~3秒間の加熱 | (高温殺菌牛乳) 日本などアジアで主流 |
高温保持殺菌(HTLT) | 75度以上で15分以上の加熱 | (低温殺菌牛乳) |
高温短時間殺菌(HTST) | 72度で15秒以上の加熱((80~85度で10~15秒) (パスチャライズド牛乳) |
(低温殺菌牛乳) 加熱変成は0.4% |
低温保持殺菌(LTLT) | 63~65度で30分間加熱 (パスチャライズド牛乳) |
(低温殺菌牛乳) 加熱変成は10~15% |
低温殺菌を主に飲む国民は?
日本で主にスーパーで売られている牛乳は、一番上の超高速瞬間殺菌法。市場の90%以上のシェアを占めています。
そして、日本から牛乳がもたらされたアジアの国々でも、同じように超高速瞬間殺菌法で処理します。
では、主に低温殺菌牛乳を飲んでいる国はどこでしょうか!?
表にしてみました。
超高温瞬間殺菌(LHT) | 日本・アジア・ドイツ・スイス・フランス・イタリア・ポルトガル・スペイン |
低温殺菌牛乳(各種) | イギリス・スエーデン・デンマーク・フィンランド・ギリシャ |
酪農の国は、やはり低温殺菌を飲んでいますね。
イギリスでは、紅茶といえばミルクティーと言っても過言ではないくらいに紅茶にミルクを入れて飲むそうです。
イギリスで超高速瞬間殺菌法で処理した牛乳は、「非常用食品」として用いられているそうです。滅菌してあるので常温で日持ちがするからでしょうか。
カンパンとかと同じ扱いなのか。。。
乳酸菌を死滅させるだけでなく、牛乳の組成を壊している
せっかく牛乳に元々入っている乳酸菌なども殺してしまうのが超高速瞬間殺菌法。
それに加えてもう一つ、市販の牛乳の処理法で残念な行程があります。それは、牛乳に含まれる脂肪球をつぶしてしまうホモナイズという作業。
もともとの食品の組成を、ぶち壊してしまうのです。そのせいで牛乳を飲むとお腹を壊したり、不耐性の人がいたりするのかな!?とも思えてきます。
牛乳の脂肪は球状をしており、平均4ミクロンの大きさ。この脂肪球は、超高温で牛乳を殺菌しているときに焦げてしまいます。
そうなると売り物にならないので、殺菌前に砕いて均一にしてしまうというわけです。
(ちなみに、低温殺菌の牛乳でもホモナイズしてあるものもあります)
この脂肪球をつぶさないと、牛乳が均一の濃さにならないです。
ホモナイズしていない(ノンホモ)の牛乳をコップに入れておいておくと、分離して上の方が濃い感じであとは透明っぽい白に見えます。そういう見た目をいやがる消費者がいるから、ホモナイズをしてしまうのでしょうか。。。
やっと本題に入ります
このホモナイズの作業によって、牛乳の中のタンパク質の組成が変化してしまいます。
タンパク質が熱変成を起こした牛乳は、『酸』によって固まりにくくなります。
ここで、驚くべき事実に気づかされます(@@)
超高速瞬間殺菌法で処理された牛乳は、胃散にあたってもまったく変化しなくなる!
これは、体にとって重大なことではないでしょうか。
胃でなんの消化処理もされずに、そのまま消化器官を下へ下へと腸へ向かって流れていってしまうのですから!
胃で処理されることなく、そのまま腸へ降りていったらどうなるか!?は容易に想像がつきますよね。
食べ物が完全に消化されないと、胃や腸で発酵や腐敗が起こり始めます。タンパク質の不完全消化のカスは、「窒素残留物」となります。
これは、腸内に住まう腸内細菌のうち「悪玉菌」の大好物の餌になります。
本来のよい部分を破壊してしまうなんて、ほんとうに残念ですね。
日本のスーパーで売っている牛乳のうちほとんどが超高温殺菌でホモナイズ処理されています。
牛乳アレルギーの人は“乳糖”の不耐性か
乳糖というのは、牛乳に含まれる糖質(炭水化物)のこと。乳糖を含んでいる物質はほ乳類の乳のみになります。
乳糖は二糖類で、「ブドウ糖(グルコース)」と「ガラクトース」という2つの単糖類からできています。
牛乳を飲んで、ちゃんと腸管から吸収されるためには、この2つを切り離さなくてはなりません。
切り離してくれるのは「ラクターゼ」という物質。乳糖を分解してくれる酵素です。
ラクターゼは、普段腸管の上部細胞に存在しており、空腸にもっとも多く集まっているのだそうです。
ラクターゼが乳糖の2つの糖を分割して消化
ほとんどの子供の小腸におけるラクターゼの活性は、生後1年から4年間の間に徐々に低下してゆくもの。これは正常な生理的成長になります。お乳を飲まなくなるごとに、乳糖を消化できにくくなってくるのですね。
ジョンズ・ホブキンス大学医学部の研究グループによる実験では、白人の15%、黒人の70%が乳糖を消化できない、ということが確認されています。
下の表の黒い部分は、健康な成人における乳糖不耐性(消化できない)の割合の数値を示しています。
乳糖を消化できるかどうか!?は、遺伝子によるということでしょうか。
表を見ると、スキンカラーが濃い人種の方が、より乳糖を消化しにくい様です。
「牛乳には危険がいっぱい?」フランク・オスキー著 より抜粋
わっ、日本人は85%が乳糖不耐性ですか(@@)
ちなみに、牛乳をヨーグルトにしたり、チーズに加工すると、乳糖不耐性体質の人でもちゃんと消化できるようになることがあるそうです。
細菌の力を借りて牛乳を発酵させヨーグルトやチーズになるわけですから、乳糖の多くがちゃんとブドウ糖とガラクトースに分解され、消化できるようになるのだとか。
アメリカの事情、日本の事情
アメリカで牧場を経営しているお家の娘さんと、お話ししたときに聞いたことが衝撃的でした。
「私は、自分の家で育てた牛しか食べないし牛乳も飲まないの」と。
その理由は、州をまたいで牛を行き来させる時に打つ注射の量が半端じゃないくらい大量だから。
もちろん、それ以外にもホルモン注射もしますが、それよりなにより普段から病気にならないように抗生物質を打ちまくっているのだ、と教えてくれました。
「もし、信頼できる酪農家さんがいないならば、牛は食べたり牛乳を飲んだりしてはだめよ」と、アドバイスしてくれました。
牛の扱い方が違うんじゃない!?
私には、甥っ子姪っ子が総勢8人もいるものですから、牛乳関連の本を読んだりもしました。
そららの本はアメリカ人の医師が書いた著書です。
なるほど、牛乳が危険なことはよくわかりました。
ただ、これがそのまま日本にも当てはまるかどうか?というと、ちょっと疑問も湧いてきます。
まず、日本では牛にホルモン注射を打つことを禁止していると聞きました(ほんとうでしょうか?)。
「乳がんと牛乳──がん細胞はなぜ消えたのか」ジェイン・プラント著
まとめ:悪いのは牛さんではない!?
牛乳には、たんぱく質、炭水化物、脂肪、ミネラル、ビタミン、これらの栄養素が全部含まれています。
にも関わらず、牛乳が悪者になっている大きな原因は、人間が利益を拡大させるために、薬やホルモンを大量に牛に注入しているから、ではないでしょうか。おまけに遺伝子組み換えの餌を与えたり。これは特にアメリカのケース。
日本では、もしかしたら牛乳の殺菌処理方法のせいで、本来の牛乳そのものではなくなってしまうため、体に負担がかかってしまう人がいるのかもしれませんね。
いずれにしても、悪いのは牛さんではなく人間だった(><)
牛乳好きのお子様には、低温殺菌牛乳のノンホモを、試してもらいたいものです♪
でも、牛乳嫌いなお子様の場合は、乳糖不耐性である可能性が大です。
そのような子供に無理矢理飲ませると、それこそ松嶋尚美さんのおっしゃるように体にとって負担になってしまうでしょう。
あぁ。。。
なんだか今日はとっても長くなってしまってすみません。
∴‥∵‥∴‥∵‥∴‥∴‥∵
読んでいただき m( . . )m 感謝
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