
こちら↑のとっても重厚な本は、習い事の先生の所持品でアンティークブック。めちゃくちゃ分厚いです!
その昔、英国カリスマ主婦が書いた、いわゆる家事の本。昔なので牛や鶏のさばき方まで出ています!
この本を見せていただき、話しを聞いていて、日頃から主婦の仕事を簡素化させている(手抜き?)ことを深く反省いたしました。
この反省を浸透させるためにも、本日の記事で取り上げさせていただきますね。主婦の仕事の重要性を改めて感じた一日でした。
とても分厚い本ですし、歴史に興味がある人が当時の暮らしを垣間みるために読む本です。
私も全部は読んではいませんが、著者の方の “女性としての思想“ のようなものがスゴくて、主婦の仕事をもっと見直してみるのもいいかも!と考えさせられました。
いつの時代もカリスマ主婦が
歴史的に最も有名な料理著作家である、著者のイザベラさんは、結婚した相手が本および大衆雑誌の出版人になったことから、1859年より夫の刊行書のために、料理と家政に関する記事を書き始めました。
およそ2年間にわたり、イギリスの婦人の雑誌に記事を書き続けたものをまとめて、1861年10月に1冊の本として発行されたものがこの本。
お嫁に行く時には娘に必ず持たせる本として存在していた、150年前の超ベストセラー本になっています。(その後、時代の流れに即して編集加筆されて刊行され続けている)
本の内容は、主に“ヴィクトリア朝時代の家庭運営の手引書”。
ファッション、育児、畜産のこと、毒知識、使用人の管理、科学、宗教、そして産業主義について幅広く助言されています。(無料ダウンロードのリンクを一番下に貼付けておきますね)
イザベラさん自体は、貴族出身者ではないですが、中流階級が上流階級に近づきたいという憧れをもった人たちに愛読されていたと考えられます。
主婦の仕事はどんなもの?
この19世紀に発行された家政本には、なんと、1,112ページにわたる900以上のレシピの掲載があります。
この時代ですから、動物のさばきかたも載っているし、鍋などの調理器具の紹介や、それらを購入できるお店の場所まで詳しく記述あり。
もちろん、お茶やティーカップそれから英国のお菓子の作り方やディスプレーの仕方も!
この頃は、写真が高価なものでしたから全て絵によるカラーの解説が差し挟まれています。
アメリカのマーサ・スチュワートさんなど、現代でも、カリスマ主婦は存在しますよね。(日本ではどなたかな?)
でも、現代ではせいぜい料理、掃除、しきたり、ホームパーティー、片付け、などに関することがカリスマ主婦の提唱していることの内容かと思います。
主婦の本かと思いきや
実はこのイザベラさんの著書、女性を家庭に縛り付けるようなイデオロギーをもった視点では書かれていないのです!
主婦のための家事指南書とはいえ、その趣旨はちょっと違う。(と私は受け止めました)
女性が夫を支えているからこそ、家が繁栄してゆく。女性がしっかり自らのポジションで仕事をこなしているからこそ、家族が健全に豊かに暮らせる。
一家を支えるのは主婦である!くらいの勢いです。そういう考え方の元に書かれているのです。
だから、掃除や育児や冠婚葬祭を含んだ“料理のレシピ本”ではありません。
■メイドや執事、馬車のコーチマン(御者)などの使用人の扱い方。
■医学、衛生、看護、に関すること
■様々な事柄の発祥の歴史
■財産について
このような内容まで網羅されている家政本なのです。
主婦の仕事に誇りを持ち、しっかりやる
イザベラさんは、フェミニストとしての経歴があります。女性としての誇りを持っていた方。
この本を出版したのが、イザベラさんが25歳のとき。ずいぶん若いころに執筆した著書です。
しかし、4人目の子を産んだ直後の1865年1月に28歳の若さで亡くなっています。
家事をすることは、命をサポートすること
ものすごく凝縮された人生を生きた女性がいたんだな......女性としての誇りを持ち続けて生きることの潔さが感じられました。
セミアは最近、仕事が忙しくて掃除がゆきとどかないことでちょっとストレスに感じていたところでした。
家のことがおざなりになっていると、イライラしたり、なにか「やり足りない」という、不完全燃焼的な気分にさせられます。
階段のすみにたまったホコリに気づきつつも、掃除機をかけずに何度もそこをバタバタと通り過ぎるたびに、なんだかや〜な気持ち。
家のことをしっかりすることは、ちゃんと自分や家族の命をサポートすること。
だから、家のことや家事をすることで、地に足がしっかりついたような感覚になります。
皆様は、いかがですか!?
読んでみたい方はこちら
☆こちらはPDFで、絵が少しだけ掲載されています。
☆おそらく文章だけだと思いますが、無料でダウンロードできます。
☆こちらのサイトでは、素敵な絵などを抜粋したページを見ることができます。
☆ちなみに、日本語版も販売されているみたいです。その他の同じ時代に刊行されていた家政本とのセットで、お値段は127,440円なり。
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