「持ちモノ」について、80代の方々から非常に興味深いお話を聞く機会がありました。
GW中に参列した葬儀のあとの食事会のとき、そばに座っていたある女性が、「親が家を建て直ししてる最中なのだけど、古家を建てた40年前から蓄積されてきたモノが多過ぎて大変なことになってる」と話してくれました。
何がタイヘンなのかというと、せっかく片付けを手伝いに行ってるのに彼女の80代の父親が「これは捨てない!」「いつか使うかもしれないからとっておくんだ!」と言いはって、なにひとつ捨てられないこと。なにせ、1980年頃の専門雑誌でさえ「後から読み返すかもしれないから」と、絶対手放そうとしないそうなんです。
本人にモノを減らす意思が無いのなら、ヘルプのしようがありません。だから、新居ができあがったらそのまま40年分たまりにたまったモノを全て元に戻すことになるのです。
引っ越しは人生に変化をあたえる大きなチャンス!だから、すごくもったいない気がしてしまいます。
ただ、『変化』というものは非常にエネルギーを消耗するもの。疲れますよね。これは歳をとるとモノを手放しにくくなる原因のひとつかもしれません。
(過去記事)
『スナック菓子の断捨離、やめられるまでの対症療法とは!?シンプルな健康体になる為に』
捨てるのが辛いなら、誰が捨てても辛い
実はその話しをしてくれている間、彼女の隣には彼女の父母が座っていて話しを聞いていました。
彼女が私に向かってモノが捨てられない両親の話しをしていると、彼女の母親は「どうしてもね〜捨てられないのよ〜」と弱々しく言いました。
「どうしてだかわからないんだけどね、捨てられないの絶対に」という言葉にうんうんとうなずいていたら、「捨てるって、辛くてできないの」とおっしゃいました。「辛くて辛くてできないから、だからあとは子供達にやってもらうしか方法はないの」と。
親の方がこのような想いをお持ちだと、そのモノを受け継いだ娘さんも同じく捨てるときに『辛い』想いをなさるだろうと予測できます。
「これは大切な家宝なのよ」と大切に敬っているモノを親から受け継いだとしたら、それと同じ様にそのモノに敬意を払いつつ大事に扱ってゆくでしょう。それと真逆ですが同じことですね。大事なモノは大事に受け取るし、辛いものは辛く受け取るもの。
それを思うと、彼女が気の毒だな〜とも思えてきてしまいます。
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はじめて聞いた!こんな断捨離!
そうかと思えば、ミニマリストへ近づいている80代の方もいました。未だに自営の仕事をしている男性です。
大好きなゴルフ場と温泉が隣にあって、ベランダから海が見えるところへ近々引っ越しすると言うのです。
「書類は必要最低限だけで、あとは全部処分するよ。たぶん全部いらないんじゃないかな」とか、写真は全部情報化してチップに入れちゃったから紙の写真は全部捨てるよ」と、かなり思い切った断捨離をしている様でした。
この年齢になると引っ越すだけでもかなり大変な事。それなのに、モノを大量に減らして必要最低限のモノだけを持って新居に入るというのです。
それだけではなく、もっと驚かされた事がありました(@@)。
スゴい断捨離です!
「お風呂場を捨てちゃったよ、キッチンに繋がってるガスも無くしたよ」というのです。最初は何の話しをなさっているのか、わからなかったです。
詳しく話しを聞いてみて、どうやらこれは自らが老人になったので危険を回避するための対策だったことがわかりました。
老人が突然死する場所で多いのが脱衣所です。それから湯船での水死も多い。だから、お風呂場ごと断捨離しちゃったんですって!!
『俺は人がいる場所でしか風呂に入らないと決めたんだ』と、ポリシーを教えてくれました。もしも何かの発作を起こしたとしても、誰かが発見してくれる可能性のあるところでしかお風呂は入らない。だから、家に風呂があるとついつい入ってしまうからお風呂は捨てちゃった、ってことでした。
わざわざゴルフ場と温泉の隣に引っ越したのは、その為もあるのだとか。ゴルフ場はプレーしないときでも会員になればお風呂に入れます。だから、家でお風呂には入らずゴルフ場の大浴場と温泉だけを利用することにしたそうです。
キッチンのガスコンロも断捨離。
通ってたガスをカットして、代わりにIHのクッキングヒーターにしたそうです。老人がうっかり火事を起こさないようにと思ってのことだとか。
かなり潔い転身です。ほとんどミニマリスト思考になってるんじゃないかと思いました。
お風呂場やガス栓とガスコンロを断捨離するとき、依頼した業者さんから反対されたそうです「そんなことしたら将来的に売れなくなっちゃいますよ」と。
それに対しては「死ぬまで元気でぽっくり逝くと決めてるから、売らんのじゃ」と答えたのですって。あっぱれです!
これはもう終活というよりは、普通の人が何年かにいちど行うような前向きな暮らしの改善と同じですね!
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先人を真似る
先日の集まりの中で、生活環境を変えようとしている80代のひとたちにこのような話しを聞けてとてもためになりました。
時間軸の途中に立っている自分がいるとしたら...
歳をとるごとにどんどん持ち物が増えてくる場合、『過去』の方を見ながら生きている。
歳をとるごとにどんどん持ち物が減ってくる場合、『未来』の方を見ながら生きている。
そういうふうに受け止められました。
『過去』を大切に生きるのもいいし、『未来』に向かって生きるのもいい。
お話ししてくださった方々は、みな「自分に責任を持っている」ので、ベクトルはどちらに向いていてもいいんじゃないかって思えました。
前者の老人は、お金を沢山子供に残す予定です。そのお金で自分たちができなかった「モノを捨てる」という行為を代行してもらう予定でいます。
後者の老人は、健康に気をつけ誰にも迷惑をかけず思いっきり残りの人生を楽しみ元気なままぽっくり逝く予定でいます。
みなさん自立しておられるのだなーと感心しました。
準備はいまからはじめられる
将来を見越して我が家もバリアフリーにしたし、お風呂や階段にはちゃんと手すりもつけた。
ただ、お話をしてくださった80代の方々のようには、まだまだ「自立した精神」は出来上がっていないように思います。
まだどこかで「なんとかなるよね」とうっすら甘えた気持が残っていると反省しました。
年金もどうなるかわからない、跡継ぎもいない、なんとかなるわけないだろ〜!と自らに活を入れてみましたっ。
今日はバラのお庭を散策してきます🌸
みなさまもどうぞ良い週末をお過ごしください♪♪
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