
今日は、汚部屋に住む孤独な老人が最後に願った事、いざというときに持って出たいモノ、についてのお話しです。キーワードは、今日のトップの写真にもある『赤とんぼ』。
先日、正真正銘のミニマリストになってしまった老人の話しを聞いて、家を出てゆく時に持ってゆきたい「本当に大切なたった一つのモノ」ってなんだろう?と考えさせられました。
お年寄りになると、人によっては体が弱ってしまい、住まいを離れて介護施設にゆかなくてはならない方も出てきます。
もしそうなった場合、公共の施設だと持ち物はほぼ全て置いて出てゆかねばなりません。プライベート施設だと、持ってゆける荷物もあるけれど、たいした量ではありませんので同じくミニマルな持たない生活がはじまります。
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熱中症で倒れた一人暮らしの男性
ゴミ屋敷の整理を商いの一つとするナンデモ屋さんが、「200世帯の集合住宅ならばその中で5件くらいは汚部屋がありますよ」とおっしゃっていました。
Newsで、集合住宅にお住まいの80代の一人暮らしの方の、片付け作業の様子を見ました。奥さんとお嬢さんは今年のはじめに何も言わずに出て行ってしまったそうです。
部屋で独り、熱中症で倒れていたところを発見され、それがきっかけで介護施設に移転することに。
集合住宅の一室なのですが、天上までモノがいっぱいあるので、業者さんに頼まなくては手もつけられない状態です。
全てのモノを片付けるのに2日間かかり、段ボール250個9トンのゴミ、トラック5台分ありました。
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持って出たい、たった一つのモノがあるのに...
このおじいさんは、汚部屋に一時帰宅したときに何やら一生懸命さがしていました。
探してたのは、黒地に赤とんぼの模様がいっぱい入った小銭入れ。
「赤とんぼがついた小銭入れが無い!どっかにあるはずなんだが...」と、かなり必死に探していました。
けれども、その他に何かを持って行こうとはしていなかったのが印象的でした。だからこそ私の心にひっかかったのでしょう。
ゴミ屋敷回収業者さんに、赤とんぼの小銭入れをとっておいて欲しいとお願いして、何十年も住んだ部屋を後にしました。
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なぜ、赤とんぼは埋もれていたのか!?
結局、赤とんぼの小銭入れは、2日目の午後に、一番下の層でゴミ屋敷改修業者さんによって発見されました。
おじいさんに後から渡すということで、お掃除した方は大切そうに持っていました。優しいですね。
この小銭入れは、片付け第2日目に発掘されたもの。
天上の近くまで、モノ山ができていたので、それを上の層から順番に撤去していったからです。
そのゴミの山は地層のようになっていました。
上の方がここ10年間のモノ。次が20年前のモノ、その次が30年前のモノ。。。
50年間のモノの山です。
ゴミ屋敷改修業者さんが片付けてゆくと、80年代の層には松田聖子さんのカセットテープやファンクラブ会員証が出てきたり、60年代の層からは東京オリンピックのロゴマークが発掘されたり。
50年代のところからは、天皇皇后両陛下の成婚を伝える雑誌も出てきました。
そして、下の方にあった驚くべきモノ!それは「鳥の巣」です。
モノが多過ぎて窓が閉まらなくなってしまったんです。
窓が空いたままなので、鳥が巣を作りこの部屋の中に住んでいたのです!巣の周りは糞がたくさんありました。
だから、外の気温が上昇した日に、家の中に居ながらにして熱中症で倒れてしまったのですね。
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全てを捨てても、持ってゆきたい赤とんぼ
おじいさんが、あれだけ一生懸命に探していたので、よほど赤トンボの小銭入れを常日頃から大切に使ってたんだろうな〜と思っていました。
でも、結局は一番下の層で発見されたのです。ということは、かなりむかし使っていたということが推測できます。
全てのモノをすてて、介護施設に引っ越しを余儀なくされているにもかかわらず、何十年間も使っていなかった小銭入れを大切に持ってゆきたいのです。
もしかしたら、お母さんにもらった思い出の品なのか?兄弟からのプレゼント?初恋の人とお揃いだったとか?自分にとって何か特別な感情的記憶にまつわるモノなのでしょう。
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ある意味、ミニマリストだった!?
私はそれを見て、こんなふうに思いました。
「もし、おじいさんが赤とんぼの小銭入れを毎日のように使っていたら!?」と。
すなわち、「大切に想っているモノをよく見えるところに置いておく」ということです。
そうすることで、何かが変わっていたかもしれない!?と。。。
心ときめくモノ、とっておくとしたら目につくところに置いておくなどして、いつも共に居る。
もしそうしていたら、もしかしたら、もっと自分の心とともに居れたかもしれません。
「あなたの好きなもの(こと)は何ですか?」という問に、もっと自問自答できたかもしれません。
たった一つのモノを選ぶのは難しい
これがもしワタシだったら!?と考えてみると、とても1つになど絞りきれません。
お爺さんのように「これ」といった、たった一つの大切なモノは、なかなか思いつかないです。
あるいみ、お爺さんはミニマリスト的思考もできる人だったのかもしれない?ですね。
とにもかくにも、ときめきのモノを普段から目にしたり使ったり、いっそうやってゆこうと思いました。
読んでいただきありがとうございました!
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